ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリットとは?寿命が短いって本当?

「ノンクラスプデンチャーのメリットやデメリットが知りたい…」
「ノンクラスプデンチャーは寿命が短いって本当?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。自費の入れ歯の中でも人気が高く、特に審美性の面から愛用する方が多いノンクラスプデンチャー。検討されている方は、メリットとデメリットをきちんと理解しておきたい、と考えるのも当然でしょう。またただでさえ高額なイメージのある自費の入れ歯で、寿命が短いのが本当なら、大きなデメリットになってしまいます。

そこで当記事では、以下の内容についてわかりやすく解説します。

  • ・ノンクラスプデンチャーの比較対象を簡単に解説
  • ・ノンクラスプデンチャーの5つのメリット
  • ・ノンクラスプデンチャーの3つのデメリット
  • ・ノンクラスプデンチャーを長持ちさせるには?

 

当記事を読むことで、ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリットが理解できます。メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、ノンクラスプデンチャーを選ぶか他の入れ歯を選ぶかを決めるべきですよね。ノンクラスプデンチャーが自分にとって相性のいい入れ歯なのか、相性が悪い入れ歯なのか、当記事を読めば理解できるでしょう。「ノンクラスプデンチャーってどんな入れ歯?」という方は、まずはこちらのページをご覧いただくと良いでしょう。>>ノンクラスプデンチャーについて

当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。

 

ノンクラスプデンチャーの比較対象を簡単に解説

ノンクラスプデンチャーの比較対象を簡単に解説

当記事ではノンクラスプデンチャーのメリットやデメリットを解説しますが、そもそも他にどんな入れ歯があるのか知らなければ、比較することもできません。

入れ歯は、「保険の入れ歯」と「自費の入れ歯」の2つに分類できます。保険の入れ歯はとにかく安く製作できますが、装着感や審美性、耐久性などに難がある場合が多いです。保険の入れ歯に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。>>入れ歯は保険で十分?保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いを徹底解説

さらに自費の入れ歯にはさまざまな種類があります。例えば当院で扱っているものだと、以下の入れ歯が挙げられます。

  • ・コーヌスクローネ義歯
  • ・アタッチメント義歯
  • ・RPIクラスプ(バネ式義歯)
  • ・磁性アタッチメントデンチャー
  • ・ノンクラスプデンチャー
  • ・インプラントオーバーデンチャー
  • ・金属床(メタルプレート)義歯
  • ・特殊プラスチック義歯

 

もちろんこれらのそれぞれに、メリットとデメリットが存在します。一つ一つの入れ歯のメリットとデメリットをしっかり把握するのは、一般の方にはなかなか難しいでしょう。ですので一度ご来院いただいてお話しを伺い、当院からおすすめの入れ歯をご紹介させていただきたい、というのが本音です。とはいえ、なかなかご来院いただくのも難しいでしょうから、当記事でまずはノンクラスプデンチャーのメリットやデメリットを知ってください。上記の入れ歯それぞれのメリットやデメリットについては、こちらからご覧いただけます。>>入れ歯の種類

 

ノンクラスプデンチャーの4つのメリット!金属を使わないメリットが大きい

まずはノンクラスプデンチャーのメリットから解説します。ノンクラスプデンチャーの最大の特徴は、クラスプと呼ばれる金属の留め具を使用していないことです。金属の留め具=クラスプを使用していないことが、さまざまなメリットにつながるのです。

ノンクラスプデンチャーのメリットは以下の4点です。

  • ・メリット①:金属を使用しないので審美性が高い(見た目が良い)
  • ・メリット②:金属アレルギーの心配がない
  • ・メリット③:装着感が良い
  • ・メリット④:自費の入れ歯の中では比較的安い

 

これらの4つのメリットについて、以下でさらに詳しく解説します。

メリット①:金属を使用しないので審美性が高い(見た目が良い)

ノンクラスプデンチャーの最大のメリットとして、審美性の高さが挙げられます。ノンクラスプデンチャーの特徴はなんと言っても、クラスプと呼ばれる金属部分が使用されていないことです。クラスプを使用せず、歯茎と同じ色の特殊な樹脂で作られているため、周りからみて口元に違和感がほとんどありません。

そのため「入れ歯をしていると気付かれたく無い」「見た目の良い入れ歯をしたい」という方から、ノンクラスプデンチャーは好評をいただいています。

 

メリット②:金属アレルギーの心配がない

ノンクラスプデンチャーは金属でできたクラスプが付いておらず、金属アレルギーの方も安心して使用できます。

ただし一般的なノンクラスプデンチャーだと、入れ歯が沈み込まないように「レスト」と呼ばれるストッパーが組み込まれており、こちらは金属製です。金属製のクラスプがなくても、レストが金属であれば、金属アレルギーの症状が出てしまうでしょう。

そのため金属アレルギーの方の場合は、このレストの部分をジルコニアなどの非金属素材で作成するなどして、完全に金属フリーのノンクラスプデンチャーを製作します。金属アレルギーをお持ちの方は、「ノンクラスプデンチャーなら大丈夫!」と安心せず、医院でしっかりと金属アレルギーであることを伝えましょう。

 

メリット③:装着感が良い

先述したとおり、ノンクラスプデンチャーは特殊な樹脂素材で作られており、装着感が非常に良いと感じる方が多いです。装着感の良さを後押しする要素として、以下の内容が挙げられます。

  • ・床の部分を薄く作れるため、装着していて違和感が少ない
  • ・クラスプ(金属のバネ)が無いため、歯を締め付けず違和感が少ない
  • ・固定する部分と床が一体化しているので、適合性が高く入れ歯が安定する

 

ノンクラスプデンチャーはこのように装着感が非常に良く、装着することにとても慣れやすい入れ歯です。そのため入れ歯を初めて作る方にとって、慣れやすいノンクラスプデンチャーは特にお勧めの入れ歯となります。

 

メリット④:自費の入れ歯の中では比較的安い

ノンクラスプデンチャーは自費の入れ歯の中では比較的安い部類に入ります。特に金属で床を作る入れ歯と比べると、ノンクラスプデンチャーの安価さは際立ちます。

ただしその分デメリットもあり、後述しますがノンクラスプデンチャーは寿命の短い入れ歯です。しっかりとメンテナンスを受け、日々のお手入れを欠かさないことで、長持ちさせることはできます。ですが安価な分、金属床の自費の入れ歯と比べると、どうしても寿命は短くなってしまうでしょう。

 

ノンクラスプデンチャーの3つのデメリット!デメリットもしっかりと知ることが重要

ノンクラスプデンチャーの3つのデメリット!デメリットもしっかりと知ることが重要

ここまでノンクラスプデンチャーのメリットを紹介しましたが、当然ノンクラスプデンチャーにはデメリットも存在しています。メリットだけに目を向けず、デメリットもきちんと理解をし、その上で入れ歯を選べばきっと後悔することもありません。当記事ではノンクラスプデンチャーのデメリットを正直に解説しますので、以下の3つのデメリットは必ずご確認ください。

ノンクラスプデンチャーのデメリットは以下の3点です。

  • ・デメリット①:壊れた時に修理・修繕が難しい
  • ・デメリット②:寿命が短く平均2年〜3年で作り直しが必要
  • ・デメリット③:ノンクラスプデンチャーが使用できない症例もある

 

これらの3つのデメリットについて、以下でさらに詳しく解説します。

 

デメリット①:壊れた時に修理・修繕が難しい

ノンクラスプデンチャーのデメリットとして、壊れた時の修理・修繕が難しい点が挙げられます。前提として、ノンクラスプデンチャーは特殊な樹脂で作られており、弾力性に優れているため、割れたり折れたりして壊れるということはほとんどありません。ですがそのぶん修理が難しく、万が一壊れてしまった場合は歯科医院で修理することはほとんど不可能です。

そのため万が一壊れてしまうと、以下のどちらかの対応を取るのが一般的です。

  • ・一度お預かりし、入れ歯の技師に修理を依頼する
  • ・新しい入れ歯を作る

 

滅多に壊れることはありませんが、壊れてしまった際には費用と手間がかかる点は、やはりノンクラスプデンチャーのデメリットでしょう。

 

デメリット②:寿命が短く平均2年〜3年で作り直しが必要

最も広く知られているであろうノンクラスプデンチャーのデメリットが、寿命の短さです。ノンクラスプデンチャーの寿命は、使用する樹脂素材の種類などにもよりますが、平均で2年〜3年ほどだと言われています。使用する素材の種類や、普段から歯科でメンテナンスを受けているかどうか、お手入れが適切なのか、といった点にも寿命は左右されます。

例えば保険の入れ歯の場合、プラスチック製で耐久性が低く、寿命はおよそ3年前後だとされています。対して自費の入れ歯の中でも、金属で作っているものなどは、10年〜20年、長ければ30年以上使用できる場合もあります。自費の入れ歯の中では、ノンクラスプデンチャーは比較的安価な部類ですが、保険の入れ歯よりは高額です。

そのためノンクラスプデンチャーを選ぶ際は、寿命が短く数年単位で作り替える必要があることをしっかりと理解した上で、ノンクラスプデンチャーのメリットが自分にどれだけ重要なのかを考えるべきでしょう。

 

デメリット③:ノンクラスプデンチャーが使用できない症例もある

ノンクラスプデンチャーに限らず、入れ歯には相性の良い症例と悪い症例があります。もちろんノンクラスプデンチャーにも相性の悪い症例があり、場合によってはノンクラスプデンチャーが使用できないこともあります。

ノンクラスプデンチャーにはクラスプ(金属のバネで入れ歯を固定する役割がある)がないため、床部分を歯の出っ張りに引っ掛けることで固定します。歯の出っ張りの部分を「アンダーカット」と呼びますが、このアンダーカットが少ない場合、ノンクラスプデンチャーが固定できないため使用できません。

また歯の欠損が多い場合も、ノンクラスプデンチャーは使用ができません。具体的には、最低でも歯が3本〜4本程度は残っている必要があるでしょう。これらの条件がクリアできない場合は、ノンクラスプデンチャーは使用できません。

 

当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。あなたがノンクラスプデンチャーを使用できるかどうかも、カウンセリングで判断いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

 

ノンクラスプデンチャーは寿命が短いから選ばない方がいい?

ノンクラスプデンチャーは寿命が短いから選ばない方がいい?

ここまでノンクラスプデンチャーのメリットやデメリットについて解説してきました。その中でも特に、ノンクラスプデンチャーの寿命の短さが気になる方は多いでしょう。

ノンクラスプデンチャーの寿命は確かに短いですが、他の自費の入れ歯に比べて比較的安いというメリットがあります。また、日々のお手入れによっては平均よりも長く使用できる場合もあるでしょう。実際に患者様の中には、定期的なメンテナンスと日々のお手入れで、7年以上もノンクラスプデンチャーを使用できている、という方もいらっしゃいます。

 

とはいえ必ず長期間使用できるわけではないので、2年〜3年程度で作り直しが必要だと割り切っておくことが重要です。ノンクラスプデンチャーは入れ歯に慣れていない方でも使用しやすい点がメリットに挙げられるので、例えば初めての入れ歯はノンクラスプデンチャーで、作り直す際には別の入れ歯を作る、といった選択肢もあるでしょう。

ノンクラスプデンチャーの上手な使い方やお手入れの仕方は、こちらの記事で詳しく解説しております。>>ノンクラスプデンチャーは寝るとき外した方がいい?使い方やお手入れを解説

 

まとめ:ノンクラスプデンチャーはデメリットもあるがメリットが多い!まずはご相談ください

まとめ:ノンクラスプデンチャーはデメリットもあるがメリットが多い!まずはご相談ください

当記事では、ノンクラスプデンチャーのメリットとデメリットを解説しました。簡単にまとめると以下の通りです。

  • ・メリット:金属非使用で審美性が高く慣れやすい、しっかり噛めて自費の入れ歯にしては安価
  • ・壊れた際の修理が難しく寿命も短い、使用できない症例もある

 

ノンクラスプデンチャーは相性のいい方にとっては非常に有用な入れ歯ですが、寿命が短かったり使用できない症例があったり、デメリットもあります。実際にあなたに合う入れ歯なのかどうかは、当記事を読んだだけでは完全には理解できないでしょう。自費の入れ歯にはノンクラスプデンチャー以外にもさまざまな種類があり、耐久年数が短いものも耐久年数が長いものも、本当にさまざまです。自費の入れ歯を作る際には、自費の入れ歯を専門的に扱うような、症例の多い医院を頼ると良いでしょう。当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。

 

監修者情報

院長 加藤 晴康

院長 加藤 晴康

大阪歯科大学に入学し、歯科医師免許取得。
卒業後は、口腔外科にて研修後、東大阪本多歯科医院にて約10年本多正明先生に師事し、総合診断、補綴を徹底的に学び研究・教育に従事。

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