入れ歯は保険で十分?保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いを徹底解説

「保険の入れ歯でもしっかり噛めるって本当?」
「しっかり噛むには自費の入れ歯が必要だって聞いたけれど…?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。入れ歯には保険診療で作る入れ歯と自費診療で作る入れ歯があり、それぞれに特徴があります。さらに自費診療で作る入れ歯にはさまざまな種類があり、一般の方がその全てを理解して選ぶのは難しいでしょう。ですが保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いについて理解しなければ、「保険の入れ歯で十分なのか」はわかりませんよね。

 

そこで当記事では、以下の内容についてわかりやすく解説します。

  • ・保険の入れ歯で本当に十分?保険の入れ歯の機能とは
  • ・保険の入れ歯のメリットとデメリット
  • ・自費の入れ歯のメリットとデメリット
  • ・保険の入れ歯と自費の入れ歯の費用について
  • ・さまざまな種類の自費の入れ歯について

 

当記事を読むことで、保険の入れ歯と自費の入れ歯の機能の違いや、メリット・デメリットが理解できます。どちらが良いかは患者様それぞれの状況によっても変わります。自分にとって必要な入れ歯が、保険の入れ歯なのか自費の入れ歯なのか、当記事を読めば理解できるでしょう。

当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。

 

保険の入れ歯で本当に十分?保険の入れ歯の機能とは

保険の入れ歯で本当に十分?保険の入れ歯の機能とは

まず前提として、保険の入れ歯の役割をご存知でしょうか?保険の入れ歯の役割は大きく分けて以下の3つです。

  • ・噛み合わせの回復:食べれる、話せる状態にする
  • ・審美性:歯がある状態の方が見た目が良い
  • ・残った歯を守る:噛む力を分散させて残ってる歯の負担を軽減する

 

保険の入れ歯の機能は、大きく分けて上記の3点だと言われています。これ以上の機能を求めると、それは自由診療の範囲だとして、保険の入れ歯では対応できません。

ここで重要なのは、「最低限」の基準を満たすことが、保険の入れ歯の役割だということです。例えば「しっかりと噛みごたえよく噛める」ことは、保険の入れ歯の役割ではありません。「最低限噛めて、最低限話せる」ところまでが、本来の保険の入れ歯の役割なのです。

 

ここからは、もっと詳しく保険の入れ歯のメリットとデメリットを解説します。

 

保険の入れ歯のメリット:とにかく費用負担が少ない

保険の入れ歯はとにかく費用負担が少ない点がメリットです。保険の入れ歯はその名の通り、健康保険が適用されます。そのため1割負担〜3割負担で入れ歯を作成できます。

さらに保険の入れ歯は素材などにも指定があるため、高額な素材を使用することがありません。

  • ・安価な素材を使用した入れ歯を
  • ・さらに1割負担〜3割負担で作成できる

 

ということなので、当然費用としてはとても安くなります。そのため保険の入れ歯は、「初めての入れ歯」として優れていると言えるでしょう。

 

保険の入れ歯のデメリット①:耐久年数が短い

保険の入れ歯のデメリットとして、耐久年数の短さが挙げられます。保険の入れ歯は基本的にはプラスチックで作成されるので、変質しやすくすぐにダメになってしまう場合があるのです。

もしも耐久性を高めようとすると、入れ歯を分厚く作らないといけないので、以下のような問題に繋がります。

  • ・見た目が悪い
  • ・しゃべりづらい
  • ・口元に違和感がある

 

入れ歯を分厚く作ることで耐久性を高めることはできますが、他の問題が出てしまうため、満足のいく入れ歯を保険診療で作ることは難しいでしょう。

 

保険の入れ歯のデメリット②:審美性が低い(見た目が自然ではない)

保険の入れ歯、特に部分入れ歯の場合は、どうしても見た目が不自然になってしまいます。部分入れ歯のクラスプ(歯に引っ掛けるバネの部分)には、金属の素材しか使用できません。クラスプの金属部分が口を開けた時に見えてしまうと、「この人は入れ歯をしているんだな」とすぐに気づかれてしまいます。

 

自由診療の入れ歯の場合は、クラスプを含めて使用する素材に制限がないので、元々の口の中に馴染む見た目に違和感のない入れ歯を作成できます。

 

保険の入れ歯のデメリット③:しっかりと噛めない場合が多い

保険の入れ歯のデメリット③:しっかりと噛めない場合が多い

先述した通り、保険の入れ歯の機能はあくまでも、「最低限噛めて話せる」程度に留まります。

しっかりと噛める入れ歯を作るには、歯ぐきの型取りをして、かみ合わせをしっかりと確認する必要があります。ですが保険の入れ歯の場合、費用に制限があるため、歯科としても歯ぐきの型取りやかみ合わせに時間をかけられません。

 

しっかりと噛めないということは、さまざまな問題に繋がります。例えばしっかりと咀嚼ができないと、脳の満腹中枢が刺激されず、ついつい食べすぎて肥満になってしまう場合があります。反対に、しっかりと噛めるとストレスの解消になったり、高齢の方の場合は脳が活性化し認知症の予防にもつながると考えられています。

 

保険の入れ歯のデメリット④:不衛生になる場合がある

③でも解説した通り、保険の入れ歯は型取りやかみ合わせの調整に十分な時間を取れません。そのため入れ歯が不安定になり、口の中で動いてしまう場合が多いです。

入れ歯が口の中で動いてしまうと、入れ歯の内側に食べカスが入り込んでしまい、口内が不衛生になってしまいます。そもそも入れ歯が必要な方は、口内が弱っている場合が多いので、衛生環境の悪化がさらに口内へのダメージに繋がりやすくなります。

部分入れ歯の場合も同様で、金属製のクラスプ部分に食べ物がつまり安く、やはり不衛生になってしまいます。

 

保険の入れ歯のデメリット⑤:固定するために周囲の歯に力がかかる

保険診療で部分入れ歯を作ると、金属製のクラスプを使用することになります。このクラスプは周囲の健康な歯に引っ掛けて入れ歯を固定しますが、引っ掛けた歯に負担がかかるため、周囲の健康な歯の寿命を縮めてしまう場合があります。

 

さらに保険の入れ歯の場合、以下のような問題が起きることもあるでしょう。

  • ・口内環境が悪いまま入れ歯治療を始めてしまう
  • ・事前検査がないので、入れ歯を入れた後の周囲の歯への力の分析ができず、結果周囲の歯を痛めてしまう

 

このように保険の入れ歯で治療を進めると、口内や周囲の歯に悪影響を及ぼしてしまうような問題に繋がる可能性があるのです。

 

保険の入れ歯がダメなわけでは無い!重要なのは目的と相性

保険の入れ歯がダメなわけでは無い!重要なのは目的と相性

ここまで保険の入れ歯のメリットとデメリットを解説してきましたが、やはり保険の入れ歯のデメリットが非常に目立つ結果になってしまいました。ですが、保険の入れ歯は絶対ダメ!というわけではありません。重要なのは目的と相性です。

保険の入れ歯のデメリットは、以下のようなものでした。

  • ・耐久年数が短い
  • ・審美性が低い(見た目が自然ではない)
  • ・しっかりと噛めない場合が多い
  • ・不衛生になる場合がある
  • ・固定するために周囲の歯に力がかかる

 

自費の入れ歯であればこれらの問題を解決することができます。ですが自費の入れ歯は保険適用外なので、どうしても費用がかかります。上記のようなデメリットがあることを理解した上で、費用面の問題で自費の入れ歯は難しいという方には、費用負担の少ない保険の入れ歯がぴったりです。

その逆に、例えば「見た目の良い入れ歯を作りたい」「しっかり噛める入れ歯を作りたい」といった要望がある方は、保険の入れ歯では満足できないことが多いでしょう。

 

重要なのは、「保険の入れ歯は良い」「保険の入れ歯は悪い」と判断するのではなく、長所と短所を理解してご自身の求める入れ歯を選ぶことなのです。

 

自費の入れ歯の特徴は?保険の入れ歯のデメリットがカバーできる

自費の入れ歯の特徴は?保険の入れ歯のデメリットがカバーできる

ここまで保険の入れ歯のメリットとデメリットについて解説しましたが、自費の入れ歯はどうなのでしょうか?

自費の入れ歯の特徴を簡潔に言ってしまえば、「保険の入れ歯のデメリットがカバーできる」点になるでしょう。自費の入れ歯は素材や作り方にこだわることができるので、さまざまなメリットがあります。具体的には以下のようなことが挙げられるでしょう。

  • ・耐久年数が長い入れ歯を作れる
  • ・審美性にこだわれる(自然な見た目の入れ歯になる)
  • ・しっかりと噛める入れ歯を作れる
  • ・口にフィットするので隙間が生まれない衛生的な入れ歯を作れる
  • ・周囲の歯に負担がかかりにくい入れ歯を作れる

 

上記だけでなく、自費の入れ歯は使う素材に制限がないため、あなたにぴったりの入れ歯を作ることができます。

自費の入れ歯のメリット:材質が自由なので自分に合う入れ歯が作れる

上記の通り、自費の入れ歯のメリットとしては、材質が自由なので自分に合う入れ歯が作れる点でしょう。耐久年数にこだわりたければ、プラスチックよりも頑丈な素材を使用した入れ歯を選べます。また審美性にこだわりたければ、クラスプの無い入れ歯(ノンクラスプデンチャー)などの選択肢があります。

 

自費の入れ歯は種類も多く自由な材質を選べるため、できないことがほとんどなく、あなたの口にぴったりの入れ歯を高確率で作ることができます。そのため「保険の入れ歯のデメリット」が気になる方は、一度自費の入れ歯を検討してみると良いでしょう。

 

自費の入れ歯のデメリット:保険の入れ歯よりも費用がかかる

自費の入れ歯の唯一のデメリットが、保険の入れ歯よりも費用がかかる点です。費用がかかる理由は以下の4点です。

  • ・保険が適用されないので全額自費負担になる
  • ・素材にこだわると費用があがる場合がある
  • ・しっかりと検査を行うので検査費用がかかる場合がある
  • ・治療や入れ歯作製の細かな手順や精度に時間を費やすため

 

こういった理由により、自費の入れ歯はどうしても費用負担が上がってしまいます。

 

保険の入れ歯は本当に安い?自費の入れ歯の方がコスパが良い場合もある

保険の入れ歯は本当に安い?自費の入れ歯の方がコスパが良い場合もある

保険の入れ歯のメリットとして、費用が安いことを挙げましたが、場合によっては費用面でも自費の入れ歯の方が良い場合があります。保険の入れ歯は安い代わりに、材質としてはプラスチックを使用します。そのため耐久性が低く、1年〜2年でダメになってしまう場合も多いのです。

 

対して自費の入れ歯は、入れ歯を作るのにかかる費用は高額ですが、耐久性の高い入れ歯を作ることができます。種類によっては20年〜30年近く使える入れ歯も存在します。そのため費用がたとえ10倍以上かかっても、トータルで考えた時に自費の入れ歯の方が安上がりだった、ということもあるでしょう。

 

自費の入れ歯にもさまざまな種類があり、耐久年数が短いものも耐久年数が長いものも、本当にさまざまです。自費の入れ歯を作る際には、自費の入れ歯を専門的に扱うような、症例の多い医院を頼ると良いでしょう。当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。

 

自費の入れ歯にはさまざまな種類がある!全てが高額なわけでは無い

自費の入れ歯にはさまざまな種類がある!全てが高額なわけでは無い

しつこいようですが、自費の入れ歯と一言でいっても本当にさまざまで、色々な種類の入れ歯が存在しています。例えば当院で扱っている入れ歯では、以下のようなものがあります。

  • ・コーヌスクローネ義歯
  • ・アタッチメント義歯
  • ・RPIクラスプ(バネ式義歯)
  • ・磁性アタッチメントデンチャー
  • ・ノンクラスプデンチャー
  • ・インプラントオーバーデンチャー
  • ・金属床(メタルプレート)義歯
  • ・特殊プラスチック義歯

 

それぞれさまざまな特徴があり、患者様の求める内容に合わせた入れ歯をご提案しています。それぞれ費用も異なるため、なるべく安く自費の入れ歯を作りたい方、より見た目のいい入れ歯を作りたい方、かみごたえにこだわりたい方など、さまざまなニーズに対応できるのです。自費の入れ歯一覧は、こちらからご覧いただけます。>>入れ歯の種類

 

見た目を重視するならノンクラスプデンチャーがおすすめ

自費の入れ歯の中でも、特に見た目を重視したい方は、ノンクラスプデンチャーがおすすめです。ノンクラスプデンチャーは、一般的な部分入れ歯には必ずある「クラスプ(金属の留め具)」が無く、入れ歯全体が歯ぐきと同じ色で作られた、特殊な樹脂を使用した入れ歯です。クラスプがないため、ノンクラスプデンチャーと呼ばれています。

ノンクラスプデンチャーにはクラスプがないので、パッと見た時の見た目に違和感がなく、自然な口元を実現できます。金属のクラスプが使用されていないので、金属アレルギーの方にも安心ですよ。>>ノンクラスプデンチャーについてはコチラ

 

まとめ:保険の入れ歯も自費の入れ歯も一長一短!自分に合ったものを選びましょう

まとめ:保険の入れ歯も自費の入れ歯も一長一短!自分に合ったものを選びましょう

当記事では、保険の入れ歯で本当に十分なのか?という疑問に答えるべく、保険の入れ歯と自費の入れ歯のメリットやデメリットについて解説しました。結論としては以下のようになります。

  • ・「とにかく費用を下げたい」なら保険の入れ歯がピッタリ
  • ・「しっかり満足できる入れ歯が欲しい」なら保険の入れ歯では不十分かも

 

保険の入れ歯はとにかく費用が安いですが、その分さまざまな問題点もあります。材質が制限されており、歯科でもできることが限られてしまいます。

見た目の良い自然な入れ歯が欲しい、しっかり噛める入れ歯が欲しい、と明確な希望がある方は、自費の入れ歯を検討した方が良いでしょう。

 

自費の入れ歯にもさまざまな種類があり、耐久年数が短いものも耐久年数が長いものも、本当にさまざまです。自費の入れ歯を作る際には、自費の入れ歯を専門的に扱うような、症例の多い医院を頼ると良いでしょう。当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。

 

監修者情報

院長 加藤 晴康

院長 加藤 晴康

大阪歯科大学に入学し、歯科医師免許取得。
卒業後は、口腔外科にて研修後、東大阪本多歯科医院にて約10年本多正明先生に師事し、総合診断、補綴を徹底的に学び研究・教育に従事。

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