「1本だけ歯がない…」
「金具やワイヤーは目立つし、清潔感のある目立たないのがないかな…」
「将来的にインプラントや矯正を考えているので今は入れ歯で対応したい!」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。自費の入れ歯の中でも人気が高く、特に審美性の面から愛用する方が多いノンクラスプデンチャー。
そこで当記事では、1つの症例を通じて以下の内容についてわかりやすく解説します。
- ・ノンクラスプデンチャーを希望された経緯
- ・ノンクラスプデンチャーの症例紹介
- ・ノンクラスプデンチャーのデメリットを部分的にカバー
- ・ノンクラスプデンチャーの間違った使い方
- ・ノンクラスプデンチャーを長持ちさせるには?
1つの症例を通すことで、よりリアルなノンクラスプデンチャーのメリット・デメリットが理解できます。メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、ノンクラスプデンチャーを選ぶか他の入れ歯を選ぶかを決めるべきですよね。ノンクラスプデンチャーが自分にとって相性のいい入れ歯なのか、相性が悪い入れ歯なのか、当記事を読めば理解できるでしょう。「ノンクラスプデンチャーってどんな入れ歯?」という方は、まずはこちらのページをご覧いただくと良いでしょう。>>ノンクラスプデンチャーについて
当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。
ご相談の流れ
当院ではまずカウンセリングをしっかり1時間程行います。
患者様がどのような不安や思いをお持ちなのか「聞く。」ことを重視しております。
今回の患者様は、1本だけ歯がなく保険適応の部分入れ歯を作製したが
針金(ワイヤー)の見た目が気になるのと、裏側の入れ歯の違和感(舌に当たる)を訴えておりました。
実際の義歯をお互い確認しながら、問題点を共有していきます。
ノンクラスプデンチャーを希望するにあたり、メリット•デメリットはある程度ご理解されてましたが
それが自分に合うのかどうか?を心配されておられました。
一般的な「メリット•デメリット」はございますが、
その患者様にとっての「メリット•デメリット」をしっかりお話しさせていただきました。
何が正しいかも大切ですが、何が適切でどう納得するかも大切です。
場合によっては違う種類の入れ歯が良いこともあります。当院の自費の入れ歯にはさまざまな種類があります。
例えば当院で扱っているものだと、以下の入れ歯が挙げられます。
- ・コーヌスクローネ義歯
- ・アタッチメント義歯
- ・RPIクラスプ(バネ式義歯)外側タイプと見えない内側タイプ
- ・磁性アタッチメントデンチャー
- ・ノンクラスプデンチャー
- ・インプラントオーバーデンチャー
- ・金属床(メタルプレート)義歯
- ・特殊プラスチック義歯
- ・特殊プラスチックとクッション性義歯
もちろんこれらのそれぞれに、メリットとデメリットが存在します。一つ一つの入れ歯のメリットとデメリットをしっかり把握するのは、一般の方にはなかなか難しいでしょう。ですので一度ご来院いただいてお話しを伺い、当院からおすすめの入れ歯をご紹介させていただきたい、というのが本音です。とはいえ、なかなかご来院いただくのも難しいでしょうから、当記事でまずはノンクラスプデンチャーのメリットやデメリットを知ってください。上記の入れ歯それぞれのメリットやデメリットについては、こちらからご覧いただけます。>>入れ歯の種類
症例紹介
まずはノンクラスプデンチャーのメリットから解説します。ノンクラスプデンチャーの最大の特徴は、クラスプと呼ばれる金属の留め具を使用していないことです。金属の留め具=クラスプを使用していないことが、さまざまなメリットにつながるのです。
ノンクラスプデンチャーのメリットは以下の4点です。
- ・メリット①:金属を使用しないので審美性が高い(見た目が良い)
- ・メリット②:金属アレルギーの心配がない
- ・メリット③:装着感が良い
- ・メリット④:自費の入れ歯の中では比較的安い
これらの4つのメリットについて、以下でさらに詳しく解説します。
メリット①:金属を使用しないので審美性が高い(見た目が良い)
ノンクラスプデンチャーの最大のメリットとして、審美性の高さが挙げられます。ノンクラスプデンチャーの特徴はなんと言っても、クラスプと呼ばれる金属部分が使用されていないことです。クラスプを使用せず、歯茎と同じ色の特殊な樹脂で作られているため、周りからみて口元に違和感がほとんどありません。
そのため「入れ歯をしていると気付かれたく無い」「見た目の良い入れ歯をしたい」という方から、ノンクラスプデンチャーは好評をいただいています。
メリット②:金属アレルギーの心配がない
ノンクラスプデンチャーは金属でできたクラスプが付いておらず、金属アレルギーの方も安心して使用できます。
ただし一般的なノンクラスプデンチャーだと、入れ歯が沈み込まないように「レスト」と呼ばれるストッパーが組み込まれており、こちらは金属製です。金属製のクラスプがなくても、レストが金属であれば、金属アレルギーの症状が出てしまうでしょう。
そのため金属アレルギーの方の場合は、このレストの部分をジルコニアなどの非金属素材で作成するなどして、完全に金属フリーのノンクラスプデンチャーを製作します。金属アレルギーをお持ちの方は、「ノンクラスプデンチャーなら大丈夫!」と安心せず、医院でしっかりと金属アレルギーであることを伝えましょう。
メリット③:装着感が良い
先述したとおり、ノンクラスプデンチャーは特殊な樹脂素材で作られており、装着感が非常に良いと感じる方が多いです。装着感の良さを後押しする要素として、以下の内容が挙げられます。
- ・床の部分を薄く作れるため、装着していて違和感が少ない
- ・クラスプ(金属のバネ)が無いため、歯を締め付けず違和感が少ない
- ・固定する部分と床が一体化しているので、適合性が高く入れ歯が安定する
ノンクラスプデンチャーはこのように装着感が非常に良く、装着することにとても慣れやすい入れ歯です。そのため入れ歯を初めて作る方にとって、慣れやすいノンクラスプデンチャーは特にお勧めの入れ歯となります。
メリット④:自費の入れ歯の中では比較的安い
ノンクラスプデンチャーは自費の入れ歯の中では比較的安い部類に入ります。特に金属で床を作る入れ歯と比べると、ノンクラスプデンチャーの安価さは際立ちます。
ただしその分デメリットもあり、後述しますがノンクラスプデンチャーは寿命の短い入れ歯です。しっかりとメンテナンスを受け、日々のお手入れを欠かさないことで、長持ちさせることはできます。ですが安価な分、金属床の自費の入れ歯と比べると、どうしても寿命は短くなってしまうでしょう。
ノンクラスプデンチャーのメリットがデメリットに→部分的に対応!
ここまでノンクラスプデンチャーのメリットを紹介しましたが
患者様は、過去に作製した入れ歯の上顎の舌の当たる違和感、いわゆる「厚み」を気にされてました。
ノンクラスプデンチャーといえども咬む力に耐えるため、ある程度「厚み」をとらなければなりません。
これでは見た目が良くなっても、他の問題点が解決されません。
その問題点を補うため、見えない裏側だけアレルギー性の少ない金属を使用しました。
↓
強度も確保され、かつ「厚み」も最大限まで「薄く」できたので満足度がかなり向上します。
このように、ノンクラスプデンチャーと金属のいいとこ取りのカスタムメイドも可能です。
金属を使用しない、白いジルコニアという材料も使用できますが適応症例は限られてきます。
ノンクラスプデンチャーの間違った使い方
大切なのは、「診査」「診断」です!
お口の中の条件はみなさん違いますので
ご家族や友人がノンクラスプデンチャーを使用しており、「いいよ〜」とオススメされても
自分には合わない可能性もあります。
適応症例を誤ると、上の写真のようにノンクラスプデンチャーが歯を抜く装置にもなってしまうのです。。。
ノンクラスプデンチャーの寿命は確かに短いですが、他の自費の入れ歯に比べて比較的安いというメリットがあります。また、日々のお手入れによっては平均よりも長く使用できる場合もあるでしょう。実際に患者様の中には、定期的なメンテナンスと日々のお手入れで、7年以上もノンクラスプデンチャーを使用できている、という方もいらっしゃいます。
とはいえ必ず長期間使用できるわけではないので、2年〜3年程度で作り直しが必要だと割り切っておくことが重要です。ノンクラスプデンチャーは入れ歯に慣れていない方でも使用しやすい点がメリットに挙げられるので、例えば初めての入れ歯はノンクラスプデンチャーで、作り直す際には別の入れ歯を作る、といった選択肢もあるでしょう。
ノンクラスプデンチャーの上手な使い方やお手入れの仕方は、こちらの記事で詳しく解説しております。>>ノンクラスプデンチャーは寝るとき外した方がいい?使い方やお手入れを解説
まとめ:ノンクラスプデンチャーを長持ちさせるには!?
- ・しっかりとした「聞くこと」が中心のカウンセリング
- ・専門としての的確な「診査」「診断」
上の2つはとても大切な項目です。
決して材料の良し悪しだけで選択しないことをオススメします。
ノンクラスプデンチャーは相性のいい方にとっては非常に有用な入れ歯ですが、寿命が短かったり使用できない症例があったり、デメリットもあります。実際にあなたに合う入れ歯なのかどうかは、当記事を読んだだけでは完全には理解できないでしょう。自費の入れ歯にはノンクラスプデンチャー以外にもさまざまな種類があり、耐久年数が短いものも耐久年数が長いものも、本当にさまざまです。自費の入れ歯を作る際には、自費の入れ歯を専門的に扱うような、症例の多い医院を頼ると良いでしょう。当院では入れ歯でお悩みの方に無料でカウンセリングを行っています。どんな入れ歯が自分に合うのか知りたい、今の入れ歯に不満がある、そんな方はぜひお気軽にお越しください。
監修者情報
院長 加藤 晴康
大阪歯科大学に入学し、歯科医師免許取得。
卒業後は、口腔外科にて研修後、補綴を徹底的に学び研究・教育に従事。